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脳科学の研究によれば、人間の脳は実際に見たり聞いたり経験したりしたことと、単にイメージしただけのことを判別できないのだそうです。疑似体験も現実の体験も区別しない。いいイメージにせよ、惡い予感にせよ、脳は湧き上がったイメージを忠実に再現しようとして、筋肉に指令を発します。ゴルフにおいてイメージすることが大事だというのは、まさにこの点にかかっているのです。ショッ卜する前に目標を設定し、そこへ向かってボールを運ぶイメージを可能な限り明確に思い描くことが、ナイスショッ卜の条件になるのです。
「右へは打ちたくない」と思うだけで、脳は逆に右へ打つことを強く意識することになり、意思に反して体各部の筋肉に右へ打つよう指令を発します。すると今度は、そうはさせまいと左へ向かせようという指令を出すこともある。自分の脳が出す、気ままな命令に翻弄されるわけです。
打っていく方向を決めスタンスを取る際、頭の中に「右はイヤだな」という思いがかすめると左へ引っかけたり、かえって右に押し出してしまうことはあります。
スタンスが目標に向かって正しく設定されていれば、普段のスうィンダをすればいいだけの話なのに、そのスムーズな動きを邪魔するものが登場するからです。誰がそんな余計なことをするのでしようか?答えは簡単。自分自身。もっと正確に言えば、自分の脳がそうさせているのです。
ルーテインをどうすれぱいいのかと頭と時間をかけるより、もつと取り組むべき練習があるはず。中身のある練習を積み重ねていれば、それこそ自分自身のルーテインがいつの間にか身についてくるものです。
周囲に不快感を与えたり、同阵競技者のリズムを阻害するような言動はもちろん禁物。これはルーテインを云々する以前の、マナーとエチケットの問題です。もし、打つ前にどんな動作をすればよいのか悩んでいるとしたら、周囲にいる上手なプレーヤーのラウンド中の動きを、よく観察してみることをお勧めします。彼らは決まって同じ動作をしていたとしても、自然な流れの中でスムーズに行っているはず。ほとんど意識していない動作こそが、ルーテインといえるでしょう。
どんな状況でも動じず基本に忠実に、落ち着いて自分のできるプレーに集中する。その環境作りの一助になるのがルーテインなのです。
準備に入る方法は、ゴルフアーによってさまざま。ルーテインの動作に、その具体的な内容や順番の決まりはありません。ゴルファー各自が自分のやりやすい方法、無理のない手順にしたがって自然な流れを作り、セットアップ完了までの環境を整えればいいのです。
いつもと変わらない気持ちで目の前のボールに向かうことが目的なのに、自分で決めたルーテインによって、自分が窮屈な思いをするのでは本末転倒です。ゴルフはいつも、生きたコ~スとの闘い。同じシチユエーションはなく、ゴルフアーが対する相手は、常に新しい条件を突きつけてくる。だからこそ、ゴルファーはその都度、慌てたり怯えたりせず、冷静に対処することが求められます。
ルーテインがクおまじない同然のセレモニー(儀式)になっているとしか思えないケースも目につきます。キャデイに、後方から打っていく方向や、アドレスした自分の肩やスタンスのラインを確認してもらって「OK」のゴーサインを出してもらう。これらの作法は、まるでテイショットを打つ前のセレモニーのようです。
ルーテインとは、いつもと変わらない自然な動きの流れであって、「こうしなくてはならない」という行動規則ではありません。ですが、ルーテインが大事だと考えるあまり、「同じ手順でアドレスしないとミスが出る」と恐れているようにさえ思えます。これでは、とても自然な流れとはいえず、かえって必要以上の緊張やプレッシャーが高まってしまうのではないでしようか。